元気であれ、名古屋!


元気になれ、日本!!

 


ありがとう、それぞれの持ち場ではたらくみなさん!!!

 

 

 

 

 

 

このたび、2011年3月11日の未曾有の大震災、大津波、大惨事の犠牲になられた方々に対して、

精一杯の哀悼の意を表するものであります。
 
まずは、自らの能力のかぎりで、希望の光の見える方向を向いてみようではないか、

と思うのであります。

 

「元気であれ」とは、

ふつうの日常をおくって元気であり続けよう、ということであり、

 

「元気になれ」とは、

ふつうの日常でたくわえた元気を、少しでも送り届けようというメッセージであります。

 

 

ここでお示しする「数値」と「表」は、

何もノーテンキに「元気であれ」とか、「元気になれ」とか申し上げているのではなく、

 

「数値」というものが、

東京方面以北では、一人歩き(どころか一人飛び跳ねている)状況を鑑みてのことです。

 

そこで、飛び跳ねて名古屋までやってくるまでに、

「数値の現段階で、確かであろう評価を知っておこうと思い、
まとめてみましたので、あたまの整理の参考にしてください。

 

〈添付資料:被ばく線量の致死量までの段階〉

 

 

被ばく線量の段階
被曝線量の致死量までの段階Ⅷ.pdf
PDFファイル 497.9 KB

   これは、
気持ちの問題」ではなく、


事実として受け止める理解力の問題」であること

 

を、
もう一度考え直してみませんか。
 解答は、世界中の人びとのあたまのなかにあるのですから。 

 

 

 

 

4月に入って、N響および読響では、「G線上のアリア」を演奏し、N響は指揮者のアンドレプレヴィンがメッセージを著わしていますし、読響では、演奏の後、全員で黙祷をして、スタッフのメッセージを残しています。ここでは、3月20日ニューヨーク州立大学で行われ、4月3日に放送された「N響アワー」を紹介します。どうぞ、鎮やかにお聴きください。

※5月23日、この動画は、NHKによる著作権侵害の申し立てにより削除されたそうです。残念ながらとても鎮やかなメッセージと演奏を、この場で聞くことができません。でも、この「祈り」があったことを「墓碑」として残しておきたいと思います。  

 

※読売交響楽団では、バッハ/G線上のアリアの詳細を2011/04/13に 公開しています。

 

4月7日の「深夜の音楽会」公開録画にて、東日本大震災で犠牲となられた方々を悼んで演奏されました。

(指揮:広上淳一、会場:東京オペラシティ)

 犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

被災地の復興と、被災された皆様の安全な日々が、一日も早く叶いますように。

 

2016年 配信は終了しました。 

 

ブロッサム・フィル 3.11 チャリティコンサート (G線上のアリア)

2012年 3 月 11 日(日) @ ティアラこうとう 大ホールにて

2012/04/02 に公開

  

~『音楽の花束』で東北を支えよう~

 ブロッサム フィルハーモニック オーケストラ 

 

ここでもバロックピリオド楽器の演奏者にお願いしましょう。

 

J.S.Bach Air BWV 1068

 

演奏は、ポーランドのリュートデュオ:アンナ・コワルスカさんとアントン・ビルーカさんです。

 

お二人は、オランダのハーグ王立学院で佐藤豊彦氏によるリュートの指導を受けています。

 

これまで、このコーナーでお伝えしたように、

近々、名古屋にも「飛んでくるくるかもしれない」ことを予想していましたが、

「放射能」の前に、「ニュース」が直撃しました。

拾えた分をまとめてみます。

 

直撃した「ニュース」です。
浜岡原子力発電所5.8.pdf
PDFファイル 167.8 KB

      

 

 

 

 

科学は、教育は、

 

ひとが、

 

自分で理解でき、判断できることを養うもの

 

ではなかったのか

 

いま、科学を学ぶということ

 

いま、ふつうに暮らす人びとが 科学を学ぶ とはどういうことなのか。

 

ひとつは予想をたてることの有効なこと

 

もう一つはその予想をきっちり検証すると未来が見えてくること

     

さらに

 

必要とあらば予想を変更してもいいんだということを学び得ること

 

状況にだまされない そして 自分自身にだまされないこと

 

こういったことが理解できるようになる。

 

そして 

 

おだやかでたのしい暮らしをつむぐために、

 

私たちは科学を学ぶことが必要なのではないか。

 

 

 

 

 

津波てんでんこ.pdf
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2015年3月11日 小泉元首相 が政治主導で原発のない社会をと訴える
小泉元首相 が政治主導で原発のない社会をと訴える.pdf
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大津地裁 仮処分決定  高浜原発は止まります 2016年3月9日

 

 

1 債務者は、福井県大飯郡高浜町田ノ浦1において、高浜発電所3号機及び同4号機を運転してはならない。

 

2 申立費用は、債務者の負担とする。

 

高浜原発停止判決文.pdf
PDFファイル 6.8 MB

 

高浜原発3号機 原子炉停止作業始まる

 

3月10日 12時15分

 9日、裁判所から福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機の運転停止を命じる仮処分の決定が出されたのを受けて、関西電力は、このうち運転中の3号機の原子炉を止める作業を10日午前から始めました。裁判所の決定で運転中の原発が停止するのは初めてです。

 

高浜原発3号機と4号機についてきのう大津地方裁判所は「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いにもかかわらず、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」として滋賀県内の住民の申し立てを認め、運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。

これを受けて関西電力は、10日午前10時に、核燃料の間に核分裂反応を抑える制御棒を入れる操作など、原子炉を止める作業を始めました。

いまのところ、トラブルはないということで、このあと32本の制御棒を徐々に入れて、原子炉の出力を下げていき、10日午後5時ごろに発電と送電を停止します。そして午後8時ごろには原子炉の出力がゼロになり、原子炉が停止する見込みです。

3号機はことし1月の再稼働後、10日までの42日間で停止することになり、すでにトラブルで停止している4号機とともに仮処分の決定が覆らない限り、再稼働できないことになります。

裁判所の決定で運転中の原発が停止するのは初めてで、全国で稼働中の原発は、鹿児島県にある川内原発の2基になります。 

 

 

高浜原発3号機 運転停止

 

3月10日 20時07分

 9日、裁判所から運転停止を命じる仮処分の決定を受けた関西電力高浜原子力発電所3号機は、10日午後8時前、原子炉の出力がゼロになり運転を停止しました。裁判所の決定で運転中の原発が停止したのは初めてです。

 

高浜原発3号機と4号機について、9日、大津地方裁判所は「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いにもかかわらず、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」として滋賀県内の住民の申し立てを認め、運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。

この決定を受けて関西電力は10日午前10時、核燃料の間に核分裂反応を抑える制御棒を入れる作業を始め、午後5時すぎ原子炉の出力を10%ほどに下げたところで、発電機と送電設備を切り離し発電と送電を停止しました。そして、午後7時59分には原子炉の出力がゼロになり運転を停止しました。裁判所の決定で運転中の原発が停止したのは初めてです。先月再稼働した高浜原発4号機もすでにトラブルで停止しているため、現在、関西電力管内に電力を供給している原発はなく、全国で運転中の原発は鹿児島県にある川内原発の2基になりました。

現在、3号機と4号機の原子炉には、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を含む、それぞれ157体ずつの核燃料がありますが、運転停止が長期化するとみられることから、関西電力は今後、原子炉建屋の隣にある燃料プールに移すことを検討するとしています。 

熊 本 地 震

 

 2016年4142126分、熊本県熊本地方を震央とする、震源の深さが11kmMj6.5Mw6.2[JMA 2])の地震(前震)が発生し、熊本県益城町で震度7を観測した

 

 その28時間後の416125分には、同じく熊本県熊本地方を震央とする、震源の深さが12kmMj7.3Mw7.0[JMA 2])の地震(本震)が発生し、熊本県西原村と益城町で震度7を観測した[JMA 1]Mj7.31995年(平成7年)に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同規模の大地震である。

 

 当初、14日に発生したMj6.5 の地震が本震で、その後に発生するものは余震であり地震の規模で上回るとは想定されていなかった。その後、16日未明に上記Mj7.3 の地震が発生したことを受けて、気象庁は同日、後者(16日未明)の地震が本震で、前者(14日)の地震は前震であったと考えられるとする見解を発表している。過去に当初の発表から訂正され、本震と余震が入れ替わる事態は海溝型地震の東北地方太平洋沖地震においても起こっているが、内陸型(活断層型)地震でマグニチュード6.5以上の地震の後にさらに大きな地震が発生するのは地震の観測が日本において開始された1885年(明治18年)以降で初めてのケースであり、また一連の地震活動において震度72回観測されるのも初めてのことであった。一方で、静岡大学客員教授の吉田明夫は、「14日と16日の地震の仕組みは異なっており、前震-本震ではなくそれぞれ独立した活動と見るべき」と指摘している。

 

 14日の地震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日未明の地震は布田川断層帯の活動によるもので、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震とみられている。東京大学地震研究所教授の纐纈一起は、「活発な断層帯が隣り合う特別な条件下において一連の地震が発生した」と指摘している。一方、名古屋大学教授の鈴木康弘は「別々の断層帯でなく、一続きの断層帯とみるべき」と主張しており、前震の割れ残りが動いたことで本震が発生したとしている。

 

 

 さらに16日の本震以降、熊本県熊本地方の北東側に位置する熊本県阿蘇地方から大分県西部および中部[注釈 1](別府-万年山断層帯周辺)においても地震が相次ぎ、合わせて3地域で活発な地震活動がみられた(詳細は後節)。熊本県熊本地方の大地震が離れた地域の地震活動を誘発した可能性(誘発地震)が考えられているが、このような例は気象庁の担当官も「(日本の)近代観測史上、聞いたことがない」としている[13]。これらの理由により、前震・本震・余震の区別が難しいとされ、気象庁は「16日のものが本震とも言えるが、3種の区別をせずに見ていきたい」と説明している

 われわれは、何を学んできたのか、また、学ぶことを拒否してきたのか

 

 2016年(平成28年)4月14日21時26分(JST)熊本県を中心に連続して地震が発生した。まず4月14日21時26分頃に、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード6.5(暫定値)の地震が発生し、最大震度7が観測された。さらに、その28時間後の4月16日1時25分頃には、同じく熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.3(暫定値)の地震が発生し、再び最大震度7が観測された。気象庁は同日、後者(16日未明)の地震が本震で、前者(14日)の地震は前震であったと考えられるとする見解を発表している。このように、本震以降、熊本県阿蘇地方および大分県においても規模の大きな地震が相次いで発生し、中央構造帯に沿った活断層の連続的なずれによって、発災が継続している。

 この活断層の北東先には、四国電力の伊予原発が、南西先には、九州電力の川内原発が建っている。とくに、川内原発では、(日本で唯一稼働しているがゆえに)その運転の続行と、安全を懸念しての運転の停止が議論されているのだ。

 ただ、この議論のなかで、「異常が確認されないから運転を続行」という判断だと「異常が発生するまでは運転を続行する」ことになる気がする。こういう時は「安全だとは思うが念のためにしばらく運転を停止」しても良いのではないか。「危ない時は停める」ことをアピールしておいた方が、他の原発のためにも得策だと思うのだ。

 しかし、この主旨に似た提言に対して、大きく議論がされている。

 議論が分かれているのは、主に

 

1.原発を停めることで、被災地が電力不足で苦しむことになるのか否か

2.原発を停めることで、放射能漏れやメルトダウンのリスクが回避できるのか

 

 の二点だ。

 

 前者については、「つい半年前まで動いていなかった原発を、余震がおさまるまでの間、ひ と月かふた月止めたところで、ただちに深刻な電力不足が起きるとは思えない。」という意見と、「何を言っているのだ。地震の影響で火力発電所がダメージを受けているし、送電網においても熊本は孤立している。この上原発が停まったら、被災地はピンチだ。」という意見に分かれている。

 

 また、後者については、「停止すればただちにリスクが回避できるわけでもないし、すべてのリスクが消失するわけでもない。が、停止して炉心温度が下がっていれば、たとえ深刻な地震に見舞われても対処はずっと楽になる」という意見と「停止するのにも再開するのにも一定のリスクがある。しかも、原発には燃料があり、炉心はすぐには冷えない。だから、リスクは停止したところでたいして変わらない。」という意見とに分かれ、それぞれ二つの異なった立場からの指摘がある。

 どっちが真実でいずれが間違っているのかは、現段階での私の知識と観察範囲からは、断定できない。

 

 ただ、現時点でわかるのは、双方の議論が、そんなにかけ離れたものではないということだ。

 

「停止と運転なんだから、正反対じゃないか」と言うかもしれないが、結論は、正反対でも、そこに至る過程で検討される条件は、そんなにかけ離れていない。すなわち、双方の結論のメリットとデメリットをすべて検討した上で、ものを考える時、両者は、同じポイントで同じことを考えているはずだ、ということだ。

 

 違うのは、最後の最後で、メリットとデメリットを天秤にかける時の、天秤の傾きの行方だけで、その傾きだって、そんなに大きな角度ではないかもしれない。

 

 停めるには停めるメリットとデメリットがあるし、運転し続けるには運転し続けることに伴うリスクとメリットがある。

 

 要は、どっちのメリットとリスクを重く見るかという評価の問題で、そこのところは、政治の問題ともかかわっている。だからこそ「震災を政治的に利用するな」という批判も出ている。

 もしかしたら、「原発停止に反対する人々」が最も強く訴えたいのは、この点なのかもしれない。

 彼らには、原発停止の提言が、政治的な意図から、とにかく原発憎しの結論をあらかじめ奉じてい て、そのために原発を停めるための理屈をひねり出して強弁してくどくど訴えているように見えている。で、その、政治的な振る舞い方の政治っぽさが政治的に許せないから、罵倒している。そういうことだ。

 

 しかし、この提言は、震災を政治的に利用するつもりのものでは決してない。そうする理由もない。

 

 ただ、ひとこと言っておかなければならないのは、このたびの地震のような国家的な災害は、誰がどう関わるにしても、政治的な対象として関与するほかにどうしようもない事案だということだ。

 

 災害に政治的な態度で取り組むことは、不潔なことではない。むしろ、そうあってしかるべき、当然の帰結だと言っていい。

 

 現政権には現政権の立場があり、それに対抗する勢力には彼らの思惑がある。その、双方ともに政治的な手段を通じて自分たちの理想を実現しようとしている政党なり政治集団が、今回の地震のような社会的な一大事を、政治的に利用するのは、極めて当然のなりゆきだ。

 

 あるいは、「利用する」という言い方に反発をおぼえる向きもあるかもしれないが、この度の地震のような天災の機会を通じて、それぞれの政治勢力が、被災者なり彼らを心配する一般国民なりに訴える政治的パフォーマンスの巧拙を競うことそのものは、決して有害なことではない。

 とすれば、一方が原発の運転の続行による電力の安定供給をアピールし、対抗する側が、安全と安心のために原発の 一時停止を訴えることは、民主政治が機能している国での健康ななりゆきと考えていい。

 

 じつは、大きな災害に見舞われたり、国家総動員的なプロジェクトが動き出したりした時に、「異論」を排除しにかかる圧力が、わが国のネットを含めたメディア社会の動き方には生じがちであるということだ。

 「お国」の何かが危機に瀕していたり、未曾有の大災害に直面している時の心がまえとしては、二つの態度が考えられる。

 ひとつは、非常時であることをわきまえて、国民の一人ひとりが私心を捨てて一致団結してコトに当たるという処方箋だ。

 もうひ とつは、非常時だからこそ、発言することのリスクを恐れずに、活発な議論を展開する態度だ。

 

 ここでは、後者の態度を心がけておいた方が、視野狭窄を回避する上で好ましいと考えていいだろう。

 

 戦前の隣組は、地域社会の狭苦しさに基礎を置いた相互監視システムだった。

 現在の「メディア隣組」は、インターネットも含めたメディア空間の広大さと自由さの結果としてわれわれの前にあるわけだが、その「自由さ」と「広大さ」は、強い偏りをもって、もっぱら特定の個人をあげつらって排除する人間たちの側にだけ供与される仕様になっている。いつの間にか、われわれは「全国規模の隣組の一員」になってしまっている。このことに十分に留意する必要があるだろう。

 

 

あ る 見 解

それでも原発再稼働か 「川内停止を」11万人賛同/九州活断層の先に伊方

 

毎日新聞 2016年4月25日 大阪夕刊

 

 

 揺れが続発する熊本地震。被害拡大と併せて心配されるのが、原子力発電所への影響だ。震源域の近くには、全国で唯一稼働中の九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)と、海を挟み四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)がある。原子力規制委員会は川内原発の運転を止めず、その他でも再稼働への準備が進む。このまま立ち止まらなくてもいいのだろうか。【宇田川恵、江畑佳明、瀬尾忠義】

 

 これまで「(原発が)安全だとは申し上げない」と繰り返してきた人にしては強気の発言に聞こえた。熊本地震を受けた18日の原子力規制委員会の記者会見で、田中俊一委員長は「今は安全上の問題はない。科学的根拠がなければ、国民や政治家が止めてほしいと言っても、そうするつもりはない」と語ったのだ。

 

 規制委が運転継続を判断した材料に、揺れの強さを示す加速度(単位はガル)がある。震度7となった益城(ましき)町では1580ガルに達したが、そこから約120キロ離れた川内原発では、一連の地震で最大8・6ガルを観測。直接比較はできないが、基準地震動(九電が想定した最大の揺れ)の620ガルなどより小さかった。

 

 運転継続に対し、政府は「規制委が専門的見地から判断したことを尊重する」(原子力防災担当相を兼ねる丸川珠代環境相)との姿勢だ。東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)は「(川内原発周辺の)断層は分かっており、最大でどれぐらいの地震が起きるのか、その際の震度や原発への影響については十分に確認され、評価されている。その上で規制委がOKとするならば問題はないだろう」と言う。

 

 しかし、である。九州中央部は活断層が連なる「別府?島原地溝帯」がまたがり、地震が起きやすい地域とされてきた。熊本から大分を結ぶ線の先に、四国から近畿に続く国内最大級の断層群「中央構造線断層帯」があり、南側には伊方原発が建つ。

 

 「規制委は危険なギャンブルをしている。国民の安全を預かる組織としては不適切な判断だ」と批判するのが、脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之弁護士だ。「甚大な被害が予想される事故には予防原則を徹底するのが当然で、地震が続く今、川内原発を直ちに止めるべきだ。国は、運転停止に伴う九電の損害と九州の安全をてんびんにかけ、電力会社を優先することを選んだのではないか」

 

 川内原発運転継続に反対する市民の声も広がっている。国際環境NGO「FoE Japan」によると、熊本出身の男性がインターネット上で始めた運転停止を求める署名活動に、11万人超の賛同者が集まったという。

 

 チェルノブイリの写真を撮り続けているフォトジャーナリストの広河隆一さんは16日、作家の落合恵子さん、鎌田慧さん、沢地久枝さんら6人の連名で、九電に川内原発の即時停止を求める要請文を送った。「これほどの地震なのに原発は安全となぜ言い切れるのか。『異常なし』と言うが『異常あり』が出たらもう手遅れだということだ。それが東京電力福島第1原発事故で得られた教訓のはずだ」と憤る。

 

 熊本地震では家屋の倒壊、橋の崩落、高速道路の陥没などが各地で発生した。仮に今、原発で事故が起きたら住民は避難できるのか、という切実な問題が改めて浮かび上がっている。

 

 川内、伊方両原発の周辺は山と海に囲まれ、十分な避難経路が確保されているとは言い難い。地元の実情を知ろうと、市民団体「伊方原発をとめる会」(松山市)の和田宰事務局次長に聞いた。「事故が起きたら住民は被ばくを避けるために屋内退避を、と言われているが、熊本地震で多くの家屋が倒壊したように現実味がない対策だ。トンネルや道路も損壊すると考えられるので、今ある避難計画は机上の空論に過ぎない」。半島の住民は船で逃げる計画だが、「地震で道路が寸断されれば港にたどり着けない」との声もある。

 

 NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表も熊本の映像を見て衝撃を受けた。「そもそも現時点の避難計画が成り立つのかと直感的に思った。本当に住民全員が逃げられると想定して策定されているのだろうか。熊本地震を機に原発の立地自治体や住民だけでなく、電力会社を交えて防災計画を改めて見直し、無理だ、と判断したら直ちに原発を止めるべきだ」。避難計画の見直しは九州、四国に限った話ではない。この国ではいつ、どこの原発が激しい揺れに襲われるかは分からない。

 

 専門家はどう見ているのだろう。米原発会社「ゼネラル・エレクトリック」で18年間、原発技術者として働いた原子力コンサルタントの佐藤暁さんはこう説明する。「米国では、原発周辺に大型ハリケーンが来襲すると予報されれば原発を止める。原発に被害がなくても、送電線や鉄塔が倒壊して外部電源が喪失し、深刻なリスクを及ぼしかねないからだ。地震も同様。本震で原発が大丈夫でも、余震で送電線などが損傷する可能性があると考えれば、あらかじめ運転を止める選択もある」

 

 佐藤さんは、原発事故の対応計画が「紙の上の議論に終始している」とも懸念する。「熊本地震での自衛隊などの捜索活動が余震で度々中断したように、事故対応も想定通りには進まないはず。なかなか電力会社は理解してくれないのだが……」。福島原発事故が起きても、「想定外」は関係者の頭の片隅に追いやられているのが実情だ。

 

 熊本地震の終息が見えない中、再稼働への手続きは進められている。規制委は19日、伊方原発3号機の再稼働前に必要な全審査を終えた。20日には関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)について新規制基準に適合しているとする審査書を正式決定した。これで新基準に適合した原発は計7基になる。

 

 四電は、7月下旬に伊方原発を再稼働させる方針で、6月下旬にも、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を含む燃料集合体157本を炉心に装着する。

 

 熊本に現地調査に入った東北大教授の遠田晋次さん(地震地質学)は四国方面について「今の状況では影響はないと思う。ただ、大分・別府あたりに別府?万年山(はねやま)断層帯があり、仮にここで大きな地震があれば、影響がないとは言えない」と話す。それでも伊方原発の安全性に関しては「中央構造線が動いても、その地震動に耐えられる設計で固い岩盤の上に建てられており、厳しい安全基準をクリアしているのだから問題はないのではないか」との認識を示した。

 

 かつて原子力安全委員長代理を務めた住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)はこう語る。「少なくとも20?30年先までは、太陽光や地熱などの再生可能エネルギーが原子力に取って代われるとは思えない。原発は事故を起こさないと決めてかかって、安全対策に手を抜いてきたのではないか、という指摘には謙虚に向き合わなければならない。しかし、私たちがある程度手に入れた安全性を基に注意深く原子力を使うことは、今は最も現実的な対応ではないか」

 

 このような見方に前出の河合さんは「待った」を掛ける。「地震が連続している時期になぜ再稼働を進めるのか。全く理解できない。規制委と政府は、何が何でも原発を動かすと決めているとしか思えない。まるで原発を止めたら負けというチキンレースをやっているようだ」

 

 政治判断で原発を止めた実例はある。東日本大震災後の2011年5月、菅直人首相(当時)は、再び巨大地震に襲われたら甚大な影響が免れないとして、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を要請した。自民党は今も「政治的なパフォーマンス」と否定的だが、河合さんは違う。「科学者の判断のみを信じ、国民を危険にさらしてはいけない。科学的な意見を聞き、政治が国民の安全を最優先に考えて判断するしかない」

 

 またも大地震が発生した事実に真正面から向き合わず再稼働を進めることが、原発事故に遭った国のあり方とは思えない。

時 の 流 れ

 

<三反園県知事>川内原発の一時停止と再点検、申し入れへ

毎日新聞 7月28日(木)12時5分配信

 

 

 2016年7月10日の鹿児島県知事選で現職を破り、初当選した三反園訓(みたぞの・さとし)氏(58)が28日、初登庁した。就任記者会見で、国内で唯一稼働している九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(同県薩摩川内市)の一時停止と再点検を8月下旬にも申し入れる考えを知事として正式に表明した。また、県が策定した川内原発の避難計画についても再検証する考えを示した。

 

 知事は「熊本地震を受けて県民が不安に思っている以上はいったん止めて、再点検・再検証すべきだと九電に出来るだけ早く強く申し入れたい」と語った。ただ再点検の具体的な内容や、再点検後に安全と判断する根拠などについては「いろいろな方と意見交換してから私の考えをまとめたい」と述べるにとどめた。その上で県庁内に専門家らによる「原子力問題検討委員会(仮称)」を設置する意向を表明した。

 

 知事は今すぐ廃炉を求める考えはないとみられるが、廃炉についても「検討委で検討する」と言明。「原発に頼らない社会に一歩でも二歩でも近づけていきたい」と繰り返し、「鹿児島を自然再生エネルギーによる社会に転換、変身させていきたい」と強調した。

 

 知事に稼働中の原発を止める法的権限はないが、知事は「権限がないからといって申し入れないというのは違うと思う」と話した。一方、九電は「まだ実際に停止の要請を受けておらず、コメントできない」としている。

 

 

 元テレビ朝日コメンテーターの三反園知事は候補一本化のため擁立を取り下げた反原発団体との間で、九電に川内原発を停止し再調査するよう申し入れることなどで政策合意。川内原発の再稼働を容認した伊藤祐一郎前知事に8万票以上の差をつけて当選した。【杣谷健太】

高裁で初判断:伊方原発停止

毎日新聞2017年12月13日 13時46分(最終更新 12月13日 14時05分)

 

四国電力伊方原発3号機の運転差し止めが認められ、「命令下る」などと書かれた垂れ幕を掲げる弁護士ら=広島市中区で2017年12月13日午後1時33分、山田尚弘撮影

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島、愛媛両県の住民が求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、申し立てを却下した今年3月の広島地裁の判断を取り消し、四電に運転差し止めを命じる決定を出した。差し止め期限は来年9月末まで。高裁レベルの差し止め判断は初めて。仮処分はただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定が覆らない限り運転できない。

伊方原発差し止め自ら作ったルールに縛られる規制委: 推進側の危機論理

 

科学記者の目 編集委員 滝順一

 

2018年1月7日 6:30 

 

広島高裁は昨年12月13日、四国電力の伊方原子力発電所3号機(愛媛県)に対し今年9月末まで運転差し止めを命じる仮処分を下した。広島市の住民らによる仮処分申請にこたえたもので、阿蘇山の噴火の影響を重くみて、3号機の運転を認めた原子力規制委員会の判断を「不合理」だとした。この高裁決定は規制委員会自身が招いた「オウンゴール」の色彩が濃い。

 

広島高裁判決、規制委の火山ガイドラインを厳格に適用

 

伊方原発3号機運転差し止めの仮処分が決定し、広島高裁前で垂れ幕を掲げる住民側(2017年12月13日、広島市中区)

原発の火山リスクに関しては広島高裁の判断に先立って広島地裁や福岡高裁宮崎支部の決定があった。どちらも阿蘇山のカルデラ噴火のような破局的な噴火は発生頻度が著しく小さいうえ、国も防災計画をもたず、国民の間に目立った不安もないので、そのようなリスクは社会的に容認しうるというのが「社会的通念」だとし、運転差し止め請求を退けた。

これに対して広島高裁の決定は「社会通念」を根拠にした判断に理解を示しつつも、安全審査の内規として原子力規制委が作成した「火山影響評価ガイド」を厳密に運用すれば、そうした判断は「限定解釈」であり「許されない」と結論づけた。これは東京電力福島第1原発事故の教訓として、安全確保のため規制基準の順守には手心を加えないとの姿勢を示したものだと理解できる。

ただ高裁の決定文には興味深いくだりがある。原発の立地を判断するにあたって、規制委が破局的噴火を「何らの限定を付すことなく」、火山ガイドラインに含めたことに「少なからぬ疑問がないではない」とする。これは火山ガイドラインへの間接的な疑念の表明と受け取れる。つまり決定文は原子力以外の防災では想定されていない破局的噴火について原発の立地判断で無条件で求めて本当にいいのか、と問いかけている。

 

多くの学者が指針に懸念「現在の科学では判定不可能」

 

この示唆を待つまでもなく、2013年にガイドラインが公表された直後から、多くの火山学者がガイドラインに対し異論や懸念を表明してきた。

ガイドラインは原発から半径160キロメートルの範囲内の活火山(1万年以内に活動した火山)について、(1)稼働期間中(40年間)に噴火活動の可能性があるか(2)可能性がある場合は噴火規模を推定し(3)対応不可能な事象(火砕流)が原発に到達する可能性が十分に小さいかどうかを評価する――としている。火砕流の到達可能性が十分に小さいと証明できなければ、立地は不適だと結論づける。

要するに、原発の稼働中にカルデラ噴火の影響をこうむる可能性が高いか低いかの判定をするということで、論理は明快だが、問題は多くの火山学者がこうした判定自体が現在の火山学では「不可能」「過大な期待」とみている点にある。

いってみれば、ガイドラインは、確実に判定ができないことを審査プロセスの柱にしている。だから四国電力が地質調査やシミュレーションで証明を試みても「十分に小さい」と可能性を払拭するのは容易ではない。

規制委はガイドラインの作成途上で「綿密な観測網があれば、大規模噴火の前には火山の山体が膨らむ現象がとらえられる」といった趣旨の一部の専門家の意見を聞き、異常が検知されたら核燃料を退避させるなどの手段を講じればよいと考えた。そのため電力会社に要注意の火山を監視(モニタリング)するよう求めている。しかし「山体膨張」といった異常が見つかったとしても、それが大規模噴火につながるのか、ありきたりの噴火や未遂で終わるのか現状の科学技術では判断できないと、火山学者は主張する。

日本火山学会は14年、噴火予測の限界や曖昧さを十分に理解したうえで、火山ガイドラインなどの基準を「慎重に考慮すべきである」との提言を出している。

 

ガイドラインの不備、川内原発めぐる訴訟でも指摘

 

こうしたガイドラインの弱点は、伊方に先行した九州電力川内原発(鹿児島県)をめぐる訴訟の過程でも指摘されてきた。規制委が弱点を補強する時間はあったが、そうしていない。その点で伊方差し止めは規制委のオウンゴールの側面をもつといえる。一敗地にまみれてからの修正は、勝っていたときに比べて困難な作業になるだろう。

広島高裁の決定に対しては「破局的噴火は日本という国の存亡にかかわる危機だ。ことは原発だけではない。原発だけ取り出してリスクを議論するのはバランスを欠く」との反論を耳にする。しかし仮に何百万人が避難する大災害であっても、災害後には復興の時期が来る。そのときに火山灰に埋もれた原発が放射能を出し続けているのと、そうでないのとでは事情が大きく異なるだろう。

福島第1の吉田昌郎所長(故人)も政府の事故調査委員会の聞き取りで津波対策を問われ「周辺の自治体が想定していない対策を原発だけが講じるのはおかしいのでは」といった意味の証言を残している。

 

原発リスクどこまで許容できるか、本格議論なく

 

四国電力伊方原発。今回運転差し止めの対象となったのは左の3号機。右は停止中の2号機(愛媛県伊方町)

原発は他の社会インフラに比べて格段に高いリスク管理を求められるべきものなのか。例えば新幹線や石油コンビナートに比べてどうか。

今の日本の「社会通念」では「そうだ」と答える人が多いだろう。しかし原発にどの程度、高いレベルのリスク管理を求めるのかについて、日本ではいまだにまっとうな議論が行われてきていない。安全の番人である規制委も「世界最高水準の安全」といった言葉で、原発のリスクをどこまで下げるのか、逆にいえばどこまで容認しうるのかという議論を避けてきた。

原発にはリスクだけではなくベネフィット(便益)もある。安全対策によってリスクはどこまで下げられるのか。さらにベネフィットなどを勘案して社会的に受け入れ可能なリスクの水準はどのあたりか。そうした議論が成熟していないと、立地や再稼働の判断は非現実的なゼロリスク論に回帰しがちだ。司法判断の揺れもそのあたりに要因があるのではないか。

政府のエネルギー基本計画は立地地域の住民など様々なステークホルダー(利害関係者)が参加する話し合いの場の形成が原子力の信頼回復に必要だと指摘していた。福島事故から7年がたとうとし再稼働も徐々に進みつつあるが、政府にそうした場を設けようという動きはみられない。